IPE研究会 次回の会合
 
2018年7月1日(日)15:00-18:00

場所
東北大学 東京サイト

 
 
発表
メキシコ中央銀行総裁のリーダーシップとソーシャル・キャピタル
――ロドリーゴ・ゴメス,1952?1970年――

岡部恭宜
東北大学 法学部 教授

要旨
 本稿は、1950年代から60年代にかけて「メキシコの
奇跡」と呼ばれたインフレなき経済成長と為替の安定に
ついて、インフレ圧力が政治的に強く、中央銀行に法的な
独立性が認められていなかったにもかかわらず、なぜ
メキシコ銀行(中央銀行)は金融政策面で「安定的成長」
を実現できたのか、という問題を立てる。そして、その
答えを同行のロドリーゴ・ゴメス総裁のリーダーシップと、
そのリーダーシップを可能にしたソーシャル・キャピタル
の役割に求める。分析結果を要約すると、ゴメス総裁の
資質や人望は、中央銀行内部の結束型ソーシャル・キャピ
タルを強化したことで組織的な凝集性を高めた一方、彼は
財務長官や財務官僚とのシナジー効果のあるネットワーク
を構築したことで金融政策と財政政策の効果的な協調を
可能にした。さらにゴメスは、国内および国外のネット
ワーク、すなわち橋渡し型ソーシャル・キャピタルを活用
して、民間の銀行からは準備金制度において、国際金融
機関からは対外借入において協力を取り付けた。こうして
メキシコでは安定的成長が実現したのである。



     
 

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